赤い悪魔が私を追ってくる。
どこまでも続く暗い廊下を追ってくる。
明かりのついた幾つもの箱が並んでいる。
纏わり付く髪の毛のように長いそれが、私を捕らえている。
赤い悪魔が、私を捕らえている。
それは赤い部屋の赤い夢。
THE
BIG-O ETC #2 "Red dream
of Red room" |
冷たい寝台に横たわる、冷たい身体。
そこに残されたものは、初めから用意されていたものに過ぎない。
逃れられない使命という名の枷は、生まれた時からはめられていた。
罪深き子羊たちに贖罪を。
免れることのできない断罪を。
塵は塵に、灰は灰に。
定められた終幕へと誘われていく。
手には凶器を、あなたに終焉を。
私はその為に遣わされた。
やがて迎えるであろう審判の為に。
どうして私は違うのだろう。
私は私と同じ姿をした、あの存在とは違っている。
どうして私は違うのだろう。
私は一体何のために生まれたのだろう。
どうしてお父様は私を愛する者として造ってはくれなかったのだろう。
それは、赤い部屋の赤い夢。
消えることのない優しい悪夢。
私は御伽噺の夜啼鶯にはなれなかった。
決して、そうなることを許されなかった。
それは、赤い悪魔の優しい悲劇。
―――
どうして私は愛されないのだろう。
END
R・D…レッド・ディスティニーでしたっけ?
ドロシーと同じ姿をした、愛される為ではなく殺す為に生まれたアンドロイド…
不気味な存在としてアニメに登場しましたが、よく考えると本当に哀れなアンドロイドだなあと思います。
ドロシーと共に作られておきながら、まったく違う使命を架せられた彼女。
子供のような、老人のような声で話すのに、姿はまるで少女。
ドロシーより凶悪な表情をしてましたが、ある意味、RDの方が人間っぽい(サイコ犯人ですけど)
40年前のメモリーを持つ者を抹殺する為だけに創られ、そして起動させられたって感じがします。
しかも、「本当の王様であり神様になりたい」アレックス・ローズウォーターのエゴの為に…
って、意外とこの、"オッサンのくせに精神年齢成長してねえだろ"男も可哀想な人ですがね。笑。
と言うことで、今回はRDネタでした。
一度、この子のことも書きたかったので…もしこんな風に彼女も思うことがあったらなあと。
一応、ドロシーの「Sorrow
of Nightingale」と対に考えてます(^^;)
2003/6/1 『THE BIG-O/Red
dream of Red room/ETC』 by.きめら
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