THE BIG-O  Dorothy's Story #2 "Sorrow of Nightingale"

 

創られた歌声を奏で続ける。

望まれた時に望まれた通りに私は囀る。

私は着飾り、微笑み、頷く。

偽りの愛情を満足させるためだけに。

それは、古い御伽噺のように。

機械仕掛けの夜啼鶯の鳴き声を異国の皇帝が喜んだように。

 

「模倣しているに過ぎない」

 

貴方は言う。

でも、私は機械仕掛けの夜啼鶯。

本物を模倣されて創られただけ。

本物を模倣するために創られただけ。

そうするように望まれただけ。

そうするように定められただけ。

私はそれを続けるために生まれただけ。

 

貴方は笑うことも歌うことも望みはしない。

けれど、そうすることで何かを得られると私は知っている。

そうするように生まれたのだから。

 

私は機械仕掛けの夜啼鶯。

今は、貴方のために鳴いている。

 

―――貴方のために泣いている。

 

決して流すことの出来ない涙で。

決して本物にはなれない歌声で。

それは、古い御伽噺のように。

 

私は機械仕掛けの夜啼鶯。

本物になる夢も見ることのない、機械仕掛けの夜啼鶯。

 

 

END

 

 


『夜啼鶯の嘆き』です。
ドロシーの独白と言うか、ポエム?(うわ、恥ずかしいな私…爆)

ちゃんと出てるかどうかわかりませんが…
「希望もなければ絶望もしない、あるがままの現実を受け入れるのが私」みたいな感じのものが好きです。
わりと退廃的なのかも(笑)

恒例の、言い訳説明します<スイマセン
ウェインライト博士にとってはまさに御伽噺の『夜啼鶯』だったドロシー(でも、たぶん愛情はかけられてたんじゃないかな?)だけど、
ロジャーの前では「本物のドロシー」を演じる必要も、歌うことも笑うことも役目ではなくなって、「そのまま」で居られるようになった。
彼もそれを彼女に強要することもない。
でも、ドロシーは自分自身の存在理由や誕生した理由、そういったものをちゃんと把握している。
プログラムされた義務ではないけれど、彼女は機械仕掛けの夜啼鶯を続けている。
もちろん、それが苦痛だとかは思ってなくて、あるがままの現状をあるがままに受け止めた結果で…と。

説明と言うより、私が思ったドロシーってことですね、コレ(笑)

2003/3/20 『THE BIG-O/Sorrow of Nightingale/DOROTHY』 by.きめら

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送